旧県庁の建て替えにともなう中央公園の整備と関連づけて計画された複合的商業ビルである。14階建のビルの公園側を段々状のテラスで構成し、全面的に緑化している。都市に人工的な山を築くという構想である。植栽面積は約5000㎡に及ぶ国内最大の緑化建築である。
竣工後5年以上経つが植栽の熱的影響をサーモグラフィなどにより、現在も計測している。その結果は各種の学会に発表され、都市のヒートアイランド現象の緩和に植栽がどの程度有効か貴重なデータを提供している。
植栽以外は特に環境共生を目的とした手法はとられていないが、屋上緑化計画のための事前の実験及び事後の検証などが評価された。
植栽が成長して緑豊かになった反面、事務所側からの視界がさえぎられている。また公園側からの景観が威圧的となった。50年後にはどのようになるのだろうか。
(高間)
|