審査員の紹介 …主な活動と、選定にあたっての視点
〇川久保 俊 (法政大学デザイン工学部建築学科教授)
SDGsをアクションにつなげるためにはローカライズが重要と考えています。現状の課題に対するソリューションのみならず、日本ならではの価値創造が必要です。文化や芸術などSDGsでカバーしきれない観点を、日本から提案したいと思います。
〇窪田 亜矢 (東京大学生産技術研究所人間・社会系部門特任研究員)
専門は地域デザインです。建築家がつくる空間への、社会からの期待に応えてください。一つのゴールを追究することは、物事を違う角度から見なくてもよいということではありません。土地と共振して時間を経たら新たな美しさにつながる、と予感させてくれる案を探したいと思います。
〇倉方 俊輔 (大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻教授)
日本の近現代の建築史と建築家を研究対象としています。特定の潮流以外の、ヴァナキュラー・ネイチャー・匿名性に可能性を感じています。現代の建築や建築家が持つ役割として、取り組むべきものかどうかの峻別をしたいと思います。
〇坂牛 卓 (東京理科大学工学部建築学科教授、『JIA MAGAZINE』編集長)
意匠論、設計を専門としています。未来の建築を作り上げていく主役となる若い人に、切実に届く言葉で語られているマニフェストを期待します。
〇福島 加津也 (東京都市大学工学部建築学科教授)
欧米のグリーンニューディールなどに対して、日本のSDGsでは議論が限定的と感じます。異分野の人が集まって議論する透明性が大切で、そこから新しいデザイン倫理を見出したいと思います。多彩な審査員による選定プロセスを通して、応募者の多様なマニフェストに期待しています。
〇藤村 龍至 (東京藝術大学美術学部建築科准教授)
公共空間の設計の現場では縮小社会の資源の再分配をめぐって空間の政治性が強まっています。地球上でのCO2排出をめぐる関心が強まることでコンクリート使用への批判も強まっています。これらの評価基準が大きく作用する時代の建築家のとるべき道について、一緒に考えましょう。
〇松田 法子 (京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授)
建築史・都市史を専門とし、領域史・生環境構築史に取り組んでいます。都市も建築も、大地という基盤によって形づくられ、地球をその構築材料とします。地球の自己構築活動という大きなテクトニックと、都市や建築のテクトニックの接続をどう考えればよいのか。4つのプレート境界が集合する日本列島から発信される提案に期待します。