スパイラル状の特徴のある空間構成を持った、建築家の自邸である。図面では複雑で奇異に見える全体像も、実際に訪れると巧みに練られた挑戦的な空間構成であることに気づく。プランも一見閉鎖的で、自然豊かな立地であるにもかかわらず不思議に思われたが、実際に訪れてみると立体的に巧みに内外の空間、そして中庭がつながり、流動的で特徴のある空間が生まれていて興味深い。訪れてみて始めてわかる良さを持った住宅であったが、特徴的なスパイラルの空間が、環境装置としても、生活空間としても、そして敷地のコンテクストに対しても今一つしっくりと納まっていない点が、環境建築賞という枠組みにおいては、最上位の賞を逃す結果となった。