都営住宅の建替えプロポーザルの実施作。コストを抑えた長寿命環境配慮型住宅の集合体に真正面から取り組み、提案し実現している。
　16戸の住宅を敷地境界からずらして配置。東西住宅の間に、緑陰や浸透保水土で覆われる庭が連続する「園路」と呼ばれる小径を、地権者が相互に契約を結ぶことにより実現している。
　OMソーラー、太陽光発電、太陽熱集熱などが導入されている。また単純な基礎の上に木の床をつくる工法等を考案し最短工期とローコスト化を達成。多摩産材等の木材に囲まれたLDKは気持ちがよく健康的である。多面の窓を開け風が流れると快適で、エアコンもあまり使われていないようである。
　総じて完成度が高く、十分省エネで、木質空間も豊かで、細部までデザインされている。かつ居住者に手が届くコストで実現されている。