JIA環境建築賞

一般建築部門 入賞

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四万十町本庁舎

四万十町本庁舎
四万十町本庁舎
 
設計者: 上村 晋(株式会社 松田平田設計)
大山 広高(株式会社 松田平田設計)
竹内 努(株式会社 松田平田設計)
建築主: 四万十町
施工者: 入交・田邊、郷田JV(西庁舎)、和・生田・松井JV(東庁舎)
講評:

 庁舎は窪川駅の線路を挟んで、東西に庁舎を分けて建っている。しかも庁舎は線路を背にして南北に長く、東西に開口を設けた環境建築的ではない配置である。この地は名前に窪が付くように、朝、夕の日射調整は東西の山が行なう地形を利用した計画も考え深いものがある。
 東西庁舎は庁舎3階で線路上をブリッジで結ばれ、24時間の自由通路として街を繋いでいる。建物の構造は混構造で、免震となっている。町に面する側は、木造を表わした組柱が特徴的である。さらに庁舎に用いる木材の全ては町産材の桧で作られ、そのための準備が設計者と町の協力で可能とされたことは特筆される。木造表現を長期的にサポートしている軒の出と各階の小庇は、日射、雨対策にも効果的である。庁舎には200人以上が働いているが、雨水の中水利用が効果的で、1ヶ月の上水使用量は、住宅一軒分となっている。これらのことが高く評価できる作品である。

  (柿沼 整三)