西オホーツクに於ける当該地域の中核事業の一環として建てられた金融機関の支店である。地産地消をテーマに建築・構造的には地場産材や道産材利用を環境・設備的には地中熱利用をエンジニアリングの“柱”として掲げ、見事に実現させた建物である。地中熱利用は、部分的な採用事例が多い中、全面的に採用することで省エネ性能向上に加え、塩害や冬期の積雪に配慮した長寿命化をも実現させている。また、吹き抜け空間となるロビーの自然換気は放射パネルとのハイブリッドなシステムを考案、利用時間の拡大等への工夫が成されている。木構造によるダイナミックな表現は地元に対する誇りや愛着が感じられる
　街への結びつきを意識した外観と構造、そして極寒の地域における心地よさに配慮した熱や光、風の環境コントロール、紋別のランドマークとしてふさわしい環境建築と言える。