ハルカスの魅力は、複雑に錯綜する用途を、環境エンジニアリングの視点からも、ミクスドユースならではのデザインへと昇華している点にある。
　タワーを大きく３つの部分に分け、低層は百貨店、中層はオフィス、高層部はホテルと展望台とに割り振り、大きく3段にセットバックさせボリュームを分解する事で、突出するボリューム感を大きく減少させ、さらにはエンジニアリング的にもビル風の低減をさせている。また、全体の1/3のボリュームを占める百貨店のエネルギー消費パターンに着目した省エネルギーを盛り込んでいる点も興味深い。よく練られた計画であり、ミクスドユーススカイスクレーパーの金字塔の１つとして、高く評価すべき作品である。