JIA環境建築賞

一般建築部門 優秀賞

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山武市立しらはたこども園

山武市立しらはたこども園
撮影:勝田 尚哉
山武市立しらはたこども園
撮影:勝田 尚哉
 
設計者: 本村 英人(株式会社 竹中工務店)
佐藤 琢(株式会社 竹中工務店)
鈴木 尚昭(株式会社 竹中工務店)
瀧澤 塁(株式会社 竹中工務店)
建築主: 山武市
施工者: 清水・大成新築工事共同企業体
講評:

 本施設は、先の東日本大震災により実害を受けた市内4施設が統合して新たに開園した幼保一体型の認定こども園である。震災による危機意識の高まりから、津波に対して特に配慮された建築・構造計画となっている点に大きな特徴がある。
 中庭と遊戯室を取り巻くように諸室が配された「UFO(円盤)形状」の建築形状は、子供たちの好奇心を掻き立て、本施設にアクティビティーを与えるとともに、自然換気や自然採光の効果を高める役割も担っている。季節により切り替え可能な床吹き出し空調の採用等の設備面での工夫、省エネ運用マニュアルの整備、竣工後の性能検証への取り組みも評価に値する。レジリエンシー(強靭な、回復力)を備えた環境建築という「新たなジャンル」を示した作品である。

  (柳井 崇)