駅を降り緩やかな坂道を左右に折れながら進み、東に傾斜した急坂を上るとこの住宅に出会う。西面が崖という制約のため構造体は堅固なRCである。RCの特性を活かすため外断熱になっているがファサードの門型テラスが打ち放しのため、そうは見えない。玄関横には廃木材が積んである。知り合いの造園業者などから分けてもらうという。この廃木材を優れものの薪ストーブに放り込むと放射熱に加えて温水も造れる。温水は給湯や床暖房に使う。夏は建物の高低差を利用した自然通風で夜間に躯体を冷やす。これだけでクーラーは要らないと言う。その他、ガラスの階段による自然採光、折り畳み式の外部日除け、屋上緑化など見どころが多い。温水器の補助熱源に意見が集中してしまったのがとても残念である。