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住宅部門 優秀作品 |
宮崎台「桜坂」 |
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所在地: |
神奈川県川崎市宮前区宮崎 |
設 計: |
清水 敬示 (財)住宅都市工学研究所
高澤 静明 ミサワホーム(株)
栗原 潤一 ミサワホーム(株)
北村 健児 エム住宅販売(株)
梅干野 晁 東京工業大学 |
建築主: |
清水昌夫 |
施 工: |
ミサワホーム株式会社 |
講評: |
過去100年にわたる首都 東京 そして最近の特に50年にわたる周辺地域の都市化の変遷を表現した地図を見て、誰の目にも明らかなことの一つは緑地の減少である。都市化はもちろん必要だったから始まった。しかし、その様式(スタイル)は当初とごく最近とではあまり変化していないのではないか。スタイルの変化はないが、サイズだけはひたすら大きくなってきた都市化がもたらしたのは、例えば、東京中心部で今年(2004年)の夏に顕著に現われた異常な「熱さ」だろう。
都市化は冬の平均気温も確実に上げてきた。霜柱があまり見られなくなった。暖房の必要性が減ったというだけの意味を考えれば、それも悪くはないように思える。しかし、東京とその周辺地域の冬は、やはり霜柱が見られるというのが本来ではあるまいか。
宮崎台「桜坂」は、都市近郊にある住宅地の屋外環境の保全がもたらす微気候を如何に活用するかをテーマとした作品である。この作品は、都市化のスタイルが変容し得るとして、その展開すべき先の姿を見せてくれた一つの貴重な事例である。
50年前の荒地が今日に至って緑豊かな地へと変容した。この50年をかけて育まれた豊かな屋外環境の特色を十分に引き出すために9戸の住宅をどのように配置するか。このことに最大限の配慮がなされた。地権者の思いと設計者の思いがつながり、そのつながりが9住戸の居住者の新たな「環境記憶」をつくる。環境はゆっくりと時間をかけて創出されていくものだということを改めて気づかせてくれた作品だった。
住宅地開発といえば、樹木を切り倒し、その空間に寸法の許す限り多くの住戸を建てつくすこと そんなイメージが強い。この作品が住宅地開発の在り様を変容させていくきっかけとなることを願ってやまない。
(宿谷昌則) |
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