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一般建築部門 入賞 |
地熱利用のSOHO |
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所在地: |
札幌市中央区円山西町 |
設 計: |
圓山 彬雄 株式会社 アーブ建築研究所 |
建築主: |
株式会社 岩根研究所 |
施 工: |
岩田住宅商事株式会社 |
講評: |
設計者の圓山氏は主として外断熱・躯体蓄熱による北方型のパッシブ建築に造詣が深く、北海道を舞台に多くの実績がある。今回の応募作品は、そうした氏の建築に対するアプローチに共鳴した施主に出会い、敷地の地盤条件から必要となった12本の摩擦杭を介して、地熱を利用した躯体蓄熱輻射冷暖房の実現にチャレンジしたものである。札幌市街地を眼下に臨む閑静な住宅地に建つ小規模なSOHO型オフィスだが、実験的なアイデアに溢れた作品である。しかしながら、本作品では夏季の冷房期の結露対策や地熱利用による効果などに関して、まだ試行錯誤の段階にあり、一定の成果や知見を得るには至っていない。また、小規模オフィスにおける熱的中間領域の空間的あり方や、そもそも札幌のような温帯の北限にあって躯体輻射冷房が適当なのかという議論も含め、その評価は今後の検証を待たねばならない。その意味からも、この問題作のさらなる発展を期待するものである。
(岩村和夫) |
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