20世紀後半に飛躍的発展をとげた我が国の生活環境にあって、個々の建築の質の向上は認められるとしても、その集合としての街や都市の現状には多くの問題が残されています。これら街や都市空間の質を向上させ、より豊かな環境を築くことは、今後われわれ建築家が取り組むべき最大の課題です。
ここに、日本建築家協会は、こうした新しい時代の要請をうけて、「まちづくり」に対する建築家の基本姿勢と役割を社会に対して明らかにするため、「JIAまちづくり憲章」を制定します。
[基本理念]
建築家は、地域社会と市民生活文化への深い理解と先見性をもって、建築や環境のデザインを通して「まちづくり」に寄与します。
[市民、行政、専門家との連携]
建築家は自らの職能にたって、市民、行政、他領域の専門家と協力し、信頼を得て、専門性を発揮し、「まちづくり」に貢献します。
[実践と自己啓発]
建築家は「まちづくり」計画の実務者として、広範な知識に基づく高い技能を磨き、常に自己啓発に努めます。
[まちづくりとデザイン]
建築家は、自然、歴史、文化、地域社会、安全などに配慮した、優れた「まちづくり」のデザインに取り組みます。
[まちづくりへの参加]
建築家は、里づくり、街づくり、都市づくりに、職能人としてまた市民として積極的に参加します。
1999年11月12日
JIA大会'99鎌倉にて