JIA 環境建築賞
入選作品
LOAM
※ 写真・文章等の転載はご遠慮ください。

© 田中克昌

© 田中克昌
鈴木 亜生(株式会社ASEI建築設計事務所)
前田和子
有限会社エスエス
2022年
東京都世田谷区
日本では多数の火山帯が肥沃な土壌を国土にもたらし地域固有の風土を生み出してきた。関東のローム、九州のシラスがその代表格である。
本設計者は、製造と廃棄を繰り返す建設プロセスに一石を投じるため、鹿児島でシラスを建材として製造開発した実績を持つ。本件では、建設発生土を大量廃棄している東京で、ロームをブロックとして製造開発することから計画を始めている。多孔質なブロックを床や壁に採用して調湿や断熱を最大化させるという目的が通風や採光を促す手段となり、結果として露地や中庭を備えたプランニングが近隣住宅へ更なる快適性を地続きにつなげている。
住宅にも省エネ適合判定が義務化される中、大手製造メーカーの規格に自らの判断を委ねることなく、環境建築の本質を見極めんとする設計者の真摯な姿勢に深く敬意を表したい。
平賀達也