札幌市内の集合住宅に囲まれた小規模オフィスである。亜寒帯気候を分析して、南と西の外装を、窓と中空ポリカーボネートで構成している。また、執務室と屋外の間を共創スペースとして光と熱の緩衝帯として機能させている。執務室と共創スペースを業務に応じて選択できることで、ワークエンゲージメントが向上することを検証している。木材利用においては、北海道において供給のほとんどを占める120㎜角の住宅用木材を、二重配置する等のダブルティンバーとして開発利用することで、サーキュラーエコノミーに配慮しながら躯体におけるUpfront Carbonを同規模S造建物と比べ52%削減している。BEI=0.48とともに環境建築として優秀なエビデンスを有しており、意匠、構造、設備の調和が卓越した建築である。

堀川晋