JIA 環境建築賞
最優秀賞
住宅部門佐戸の家
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佐藤 欣裕(有限会社 もるくす建築社)
有限会社 もるくす建築社
2016年
秋田県大仙市は冬季の気温が-10℃まで下がる豪雪地帯であり、夏は一転して蒸し暑い盆地特有の気候を有する地域である。このような厳しい気候条件下で、オフグリットという実験的な住まいにチャレンジした作品である。徹底した断熱と日射遮蔽性能確保の為の三重ガラスや外ブラインドの採用、蓄熱部位の適正配置、通風や採光といったパッシブ手法を最大限活用、エネルギー源として薪と太陽熱、太陽光発電を組み合わせ、オフグリットで暮らすための様々な工夫が凝らされている。エネルギーが足りない部分は「不便」ではなく、多様な生活を楽しむ「変化」と捉え、健康で化石燃料を使わない住まい方が実現されている。今後、普及が期待される「地産地消」型の住まいの先駆けになる作品である。
(柳井 崇)