JIA 環境建築賞
優秀賞
大きな地形を背負う環境住宅
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手島 浩之(有限会社都市建築設計集団/UAPP)
小林 光(東北大学)
若山 剛
気仙沼工務店
眺めの良い高台の上に立つ住宅である。施主の要望である眺望を実現するためにガラス大開口を北面に設けていることから、寒冷な気候の中では環境的にも快適性でも不利な形態である。設計者と施主はこの課題を十分に認識した上で、潜熱蓄熱材、南面に設えた採熱室とその熱を居室に導く空気循環ファン、そしてIoTセンサーによる運営の改善で理想の環境建築を実現した。工夫を強いるやや複雑なシステムも、逆に改善する過程を住まい手が楽しんでいる様子が羨ましい。何よりも眺めがよく気持ちの良い空間を作り出すことを出発点として、環境技術がその実現を可能としていることに環境建築の可能性を感じられ、優秀賞に相応しいと評価された。
(菅健太郎)