木質建材のメーカーのショールームである。細部にまでデザインの行き届いた美しい建築であるとともに、草木染の外装木材など、木材の新しい可能性も提示している。中でも環境建築賞として大きく評価されたのはFSC認証への取り組みである。 FSC認証は使用されている木材が適切に管理された森林からの生産品であることを証明するものであるが、現時点ではその仕組みや考えが十分に市場に浸透しているとは言い難い。カーボン削減のため木材活用に関心が集まる中、違法な伐採を防ぐための仕組みを市場に浸透させることは喫緊の課題である。本作品は建築主、設計者、施工者が一体となって実践することでこの理念を体現したものであり、建築に関わる我々に重要なメッセージを投げかけている。

（菅 健太郎）