JIA 公益社団法人日本建築家協会

各種委員会・全国会議JIA環境会議

2050年カーボンニュートラルが、急激な気候変動に対する具体的対策として世界共通の目標となりました。建築家には建築単体の省エネルギー性能・省資源性能向上とともに、多様な周辺環境やコミュニティ、地域の歴史・文化を活かす設計により、建築のライフサイクルを通じて脱炭素社会の実現に貢献する大きなデザインの提案が強く求められています。

JIAでは、1992年に関東甲信越支部で環境委員会が立ち上がり、翌1993年大会において持続可能な社会に向けて建築家の果たすべき社会的責任を行動指針として大会宣言に採択しました。1999年5月にはJIA環境行動指針を策定発表し、目標達成のための組織としてJIA環境行動委員会が設けられました。2000年には建築関連五団体と共に「地球環境・建築憲章」を制定し、長寿命、自然共生、省エネルギー、省資源・循環、継承という五つのキーワードを掲げ、同年その視点を通じて社会資本としての建築あり方を議論し顕彰する場としてJIA環境建築賞を創設し、現在まで毎年続く歴史のあるJIAの顕彰事業となっています。JIA環境行動委員会は、より実践的な活動を進めるために2009年から特別委員会JIA環境行動ラボに組織を改め、環境省エコハウスモデル事業など国の政策に関与する活動を行いました。

JIA環境会議は、このような環境建築に関わるJIAの活動を継承し継続発展させるために発足しました。その役目は環境建築の意義を深く考え、新しい建築のビジョンを構築し、具体的な実務に繋げるための議論の場となることです。環境建築を推進・普及するための政策に関わることです。

2021年6月のJIA•SDGsフォーラムにおいて、四つの全国会議から、建築家がSDGs実現に貢献するためのメッセージを発表しました。

きちんとつくる
だいじにつかう
すてずにいかす
ちいきへつなぐ

このメッセージには、建築をつくること使うこと更新すること、建築がつくる環境に対する広範な決意を込めました。それは前述の「JIA環境行動指針」「地球環境・建築憲章」とも重なります。これまでの環境意識の高まりを醸成し、地域や所属組織の違いはあれイーブンな建築家の集まりであるJIAの力を活かし、様々な知見や手法を広く採り上げ、環境と建築を広い視野で闊達に議論し発信していきます。

これまでの歴史

1992~1998/関東甲信越支部環境委員会
1999~2008/環境行動委員会
・JIA環境建築賞運営支援、JIA環境データシートの開発および賞応募者の環境データ収集と分析、書籍の発行、環境建築連続セミナー/見学会の開催、政策提言など。
2009~2013/JIA環境行動ラボ
・環境省エコハウスモデル事業 事務局
・全国20自治体22棟のエコハウス建設の事務局、建設後の検証研究、書籍の発行等。
2014~/JIA環境会議
・「JIA環境建築賞」をタスクフォースとして支援。
・木材利用促進セミナーを協賛企業とのコラボレーションにより企画・開催。
・JIA2050カーボンニュートラル連続セミナーの企画・開催・アーカイブ化、カーボンニュートラル特別委員会を支援。

2050年カーボンニュートラル社会
実現の最重要の取組みとして、
2030年の目標達成を自分事として
とらえ、実績に基づく実務家の知見
を披露し情報共有を図っています。

JIA環境会議は「カーボンニュートラル特別委員会」の活動支援として「カーボンニュートラルの樹を育てよう」デジタルプラットフォームの企画・運営協力を担当。
また、並行して冊子「カーボンニュートラルの樹を育てよう|JIA提言集2023/Collection of Thoughts on Carbon Neutrality by 2050|JIA ver. 2023」企画・編集協力も担当。

JIA環境会議は「カーボンニュートラル特別委員会」の活動支援として「JIA2050カーボンニュートラル連続セミナー」の企画・開催協力を担当。全15回YouTube配信中。写真;第1期第6回チラシ/田辺新一氏登壇(2021.8.26オンライン視聴466名)

JKホールディングスの協賛を得て、通算10回開催された「木材利用促進セミナー(幹事:白江龍三氏)」/写真:第10回チラシ/登壇:山梨知彦氏・中嶋一郎氏(2021.3.22)。
YouTube配信中

2013年4月1日にJIAは公益社団法人に移行。翌年の2014年にJIA環境会議発足(初代議長:野沢正光氏)。全国連携を掲げるキックオフ記念イベントが「JIA建築家大会2014岡山」において開催された。(2014.9.27)

「JIA建築家大会2017四国」の環境会議プレツアー/徳島県の剣山系の急傾斜地の村落を訪問。気候風土をありのままに活かす知恵と地域のすばらしさを肌で感じ、守るべき暮し・環境を再認識する意義深いツアーとなった。(2017.9.27)

「カーボンニュートラルの樹を育てよう|JIA提言集2023」の応募提言(四国支部/新居照和氏)。
都市部と異なる地域の課題を浮き彫りにして、地域におけるカーボンニュートラルの取組み真摯に向き合う決意と提案が示された。(2023.2.13)